作品のコンセプトはそのものズバリ『必殺 仕事人』。その劇場版Ⅲや4で見られた、「巨悪の陰謀に巻き込まれ、少数精鋭でやや反駁しながらも立ち向かうが、関わった善人みんな死ぬ」というテンプレートを下敷きに、舞台ならではのディープさが全開。前進座の特徴である花道を効果的に使い、豪華客演陣がおいしいトコロを持っていきつつも、戦い=殺人に嫌悪感を抱いているが、これでしか生きられない哀しい主人公を小西克幸が熱演! 演出や殺陣も含め、じつにスタイリッシュな作品に仕上がっている。ヘロQの中でもぶっちぎりに「笑い」が少ない異色作(異色なのかよ)だが、タイトルの初期案では『修羅シュシュシュ』とか、ふざけたヤツに決まりかけていた。