実はこの作品は座長・関智一が、昔から上演したかった憧れの作品の一つで、旗揚げ以来願い続け、漸く実現したものだった。思い入れのある作品だけに演出にも力が入る関。原作の雰囲気をより効果的に楽しんで頂くため、クライマックスシーンの演出は、劇団員はもちろん、スタッフまで巻き込み、あーでもない、こーでもないと、みんなで頭を悩ませた。

中年脚本家の原田英雄は、離婚し生活に疲れ果て、孤独な日々を送っていた。そんなある夏の夜、英雄は同じく孤独な、桂という女性と出会う。やがて桂と愛し合うようになった英雄はふと思い立ち、幼い頃両親と暮らしていた浅草を訪ねる。思い出を手繰るように浅草を歩く英雄。英雄は目を疑った……英雄の目の前に現われたのは、12歳の頃に死に別れた……あの頃のままの姿で微笑みかける、両親の姿だったのだ……

【原作】山田太一
【脚本・演出】関智一
【日時】2007年12月12日(水)～16日(日)
【場所】シアター・サンモール
【料金】前売り：4,300円　当日：4,500円
【公演回数】全7回
【収客数】2200人
【CAST】
原田英雄：関智一
原田房子：長沢美樹
原田英吉：小西克幸
藤野桂：松本和子
間宮一郎：永松寛隆
プロデューサー：林智子
ディレクター：横山望
今村綾子：山中久代
今村重樹：兼島信哉
ポン引き：上田伸哉
管理人：近藤浩徳
仲居：津本陽日
下足番：中村隆之
浅草のおばさん：平山綾子
浅草のヤング：沼田梨沙
落語家：昔昔亭笑海／瀧川鯉朝（客演・Wキャスト）